特殊メイク 特殊造型工房ソイチウム・ever

特殊メイク 特殊造型の工房 ソイチウム                                                       サイトマップ

webmark5.jpg                          特殊メイクアップアーティスト梅沢壮一が 主宰する工房です。

2009.2.28

2浪


 1浪目は順調に落ち、親に色々言われながら2浪目が始まりました。東京芸術大学には何か魔力のようなものがあるようで、その頃、多浪してでも入りたいという人がかなりいたのです。僕が高校3年生でアトリエに入った時は、6浪、5浪もしている人達がいた為、すっかり「2浪くらいは大した事ないんだ」という感覚を持ってしまいました。
 2浪目は昼間テレビ工場で働き、夜絵を描くという生活でした。そしてまた秋の文化祭の季節が。今回は自分の生首を作る事にしました。歯科材料店でアルジネイトを買って(高かった!)、弟に全てを説明し頭を型取ってもらいました。通常は取ったアルジネイトの型に石膏を流し込んでライフキャストにする訳ですが、お金もなく、方法もよく知らなかった自分は、その型に直接ラテックスを流し込み、ある程度の厚みが出来たら発泡ウレタンの替わりに綿を詰め込んで成型しました。それでもなんとか形にはなりましたよ。
 文化祭当日は、その頭を金魚の泳ぐ水槽に沈め、口からブクブクと泡が出るようにして展示しました。
そして我が頭は、前年度以上に親御さんから白い目で見られていました。


2浪作業中 2浪「とある日常」
           タイトル「とある日常」


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2009.2.21

浪人


美術大学進学の為、高校3年生の夏から地元の美大予備校へ通い始めました。予備校と言っても生徒数40人程の小さなアトリエです。
 受験は都内の私大3校と東京芸術大学を受けましたが全て落ち、浪人生活が始まりました。当時は後にその生活が3年間も続くとは想像もしていなかった訳ですが・・。昼は絵を描き、夕方からはバイトで画材を稼ぐ毎日。高校生にとって浪人という響きは、どこか裏ぶれたと言うか、辛そうな印象がありましたが、実際は毎日好きな絵や、彫刻を追求して腕を上げて行ける事がうれしくて、むしろ楽しい毎日でした。
 さらにそのアトリエでは毎年秋に文化祭のようなものを開催していて、その時だけは1週間自宅で自由に作品を作ることが出来たのです。ちょうどその頃発行されたホラー系の雑誌に特殊メイクの造り方なども掲載されていて、それを参考に初めて全身ミイラを作ったのですが、当時はラテックスさえ簡単に見つけられず、材料を集めるだけでも一苦労でした。歯などは電話帳で歯科材料店を探して、事情を説明し売ってもらった記憶があります。
文化祭当日、私の渾身の作は、生徒達の絵画を楽しみにやって来た真面目な親御さんから冷ややかな視線を浴びていました。

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ここでも張り子方式が     一応関節が動く       頭すごっ



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タイトル「歳月、男(ひと)を待たず」
 何故か服だけきれいなミイラ


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2009.2.14

きっかけ

 具体的に特殊メイクに興味を持ったきっかけは、高校二年生の時、文化祭の出し物でやったお化け屋敷でした。小学校を卒業する頃から映画好きになり、中学生の時も特殊メイクの真似事はやっていましたが、この文化祭で沢山のお化け達を造った事を期に、将来「特殊メイクで食って行きたい」と真剣に考えたのです。
 当時はまだ特殊メイクの本なども全くなく、生首を作るのに、中学の美術で習った「起き上がりこぼし」のやり方を利用しました。水粘土で頭の原型を作り、その上に少年ジャンプなどの雑誌をちぎって糊で貼って行くのです。漫画雑誌はページによって色が違っているので、一層目は青、二層目は黄色、と重ねて行き、やがてある程度の強度が出た所で切り開いて粘土原型を取り出します。そして再び繋ぎ合わせると、軽くてしっかりした、ちょうどFRPの様な物が出来上がります。ただディテールは相当甘くなりますが。それにペイントし人形の髪の毛を付けて完成です。
 そのようにしてオリジナルの物を作りつつ、あとは近所の美容室へ行って、いらなくなったマネキンをもらって来て加工したりもしました。
 アメリカで「狼男アメリカン」や「ゴーストバスターズ」などのSFX映画が公開された影響で、日本でも特殊メイクに関する本が出版され始めたのはちょうどこの頃からです。

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やや、ヤン・・っぽい・・。


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2009.2.2

工房       

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  仕事を手伝ってくれる人達も年々増え、少しずつ理想の空間へ。

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